第二新卒の転職

転職に失敗する第二新卒の特徴3つとNGな転職理由|転職成功のポイントも徹底解説

第二新卒とは、就職から1年~3年以内に転職する人のことをいいますが、一般的に転職において不利であるとイメージしている人が多いのではないでしょうか。実は、そのようなことはありません。2016年より、厚生労働省から第二新卒を採用した企業へ助成金の支給が開始されたことや、売り手市場であることなどから、第二新卒の転職人数は増加傾向にあります。

年度 第二新卒の転職者数
2010年 36万5,500人
2011年 37万7,606人
2012年 39万8,320人
2013年 41万2,636人
2014年 42万7,932人

参考:新規大卒就職者の事業所規模別離職状況|厚生労働省

つまり第二新卒であっても、上手に転職活動をすれば、納得できる転職が可能となるのです。

 

転職に失敗する第二新卒に共通するたった3つの特徴

ここまで読んでいただければ、第二新卒が求められる理由がお分りになったと思います。
需要のある第二新卒ですが、転職に失敗してしまう場合ももちろんあります。
どんな転職の失敗があるのか、主な原因をみていきましょう。

自分を客観的に見ることができていない

転職することがゴールだと認識し、将来のキャリアプランができていない場合は、転職先でも上手くいかないことがほとんどです。

転職を成功させるには、しっかりと自己分析をする必要があります。この職場で働くことで何が得られるのか、自分の目的に近づくのかどうか、しっかりと5年後、10年後を見据えて転職を進めてください。

転職先の職場と自分の将来のビジョンが上手く結びつくと、面接での志望理由に説得力を持たせられるでしょう。

自己PRが不十分

面接の際、自分を上手く伝えることができず、空回りした受け答えをしないよう注意しましょう。まず、企業側が求めているものは何か、どのような人材が欲しいのかを考えます。
その上で自分の武器をアピールし、どのように企業へ貢献できるかを明確に伝えるよう心がけましょう。

責任転換している

前の会社を退職した理由を職場環境や周りの人のせいにしていませんか?これは全てのことに共通していることですが、責任転換をしている人は、結局どこへ行っても、何か問題が起こると人のせいにしてしまうことを繰り返してしまいます。

過ちを認め、なぜ間違ってしまったのか、原因は何なのかを突き止め、今後の糧として受け入れることが大事です。そうすれば繰り返し転職することを防げるはずです。

 

第二新卒の転職理由ランキングトップ7

仕事上のストレスの理由や原因は、人によって違います。どのようなことにストレスを感じる人が多いのか気になる方も多いのではないでしょうか?

転職サイト「エン・ジャパン」が行ったアンケート結果を元に、仕事の辛さの主な理由をチェックしてみましょう。

アンケートによると、実に10人に7人は仕事で仕事を辛いと思っているというのです。

「現職・前職で、仕事上でのストレスをどの程度感じています(いました)か?」という質問に対して、「かなり強く感じる」「強く感じる」

と、答えた方は合わせてやく70%にも上りました。一方、ストレスを「ほとんど感じなかった」と回答した方は年代をわずか1%ほどしかいませんでした。

このアンケートの結果からも、実に多くの人が仕事でストレスを感じ、辛いと思っていることが分かります。あなたの身の回りの働いている方を、10人思い浮かべてみてください

その内7人は、仕事上のストレスを感じながら働いているということになります。

1位:上司との人間関係

「あなたが仕事上で強くストレスを感じるのはどんな点ですか?」という質問に対して、最も多くの人が挙げた理由が「上司との人間関係」でした。

職場で一緒に仕事をする同僚や上司、部下とは長い時間を共にします。そのため職場の人との関係性がうまくいかなければ、仕事が辛くなるのももっともです。

中でも上司との関係性は最重要です。上司から理不尽な説教をされたり、嫌われていたりするようでは職場の居心地も最悪です。また、上司に非が無くてもどうしてもそりが合わないということもあります。

多くの人が、「上司との人間関係」が理由で仕事が辛いと感じているのですね。

2位:会社の業績・将来性への不安

次に多くの人が挙げた理由は、「会社の業績・将来性への不安」です。いくら自分が一生懸命働いていても、会社全体の業績がイマイチではストレスを感じてしまいますよね。

業績が悪いようでは、昇進や昇給が思うようにいくか不安になりますし、そもそも会社が倒産してしまうのではなんて疑念も芽生えてきます。自分が働く会社の先行きが不透明では、働いていて辛くなりますよね。

3位:成果に対して給与が低い

自分の頑張りや成果に見合った給与をもらえていないことに不満を感じる人も多いようです。同年代の友人たちと比べて給料が少ないとなると、今の職場で働き続けるモチベーションも失われてしまいます。

給与の額は、自分に対する評価のひとつの指標

会社のために頑張って成果を出しているのに、正当に評価をしてもらえないようでは、仕事が辛いと感じるのも当たり前です。

4位:労働時間が長い

仕事上のストレスの理由に、「労働時間が長い」ことを挙げる人もたくさんいます。働く時間が長ければ、それだけ体力も精神も消耗します。

  • 残業が多く家に帰れる時間が深夜。
  • 睡眠時間も十分に取れない

そんな生活を送るようでは、仕事も辛くなります。

5位:仕事内容が合わない

十分なお金をもらっていたり、労働時間が適切だったりしても、仕事内容自体が自分の希望とかけ離れていてはストレスに繋がります。

  1. 「やりたいことと違う仕事を任されている」
  2. 「元々は希望していた仕事だが、実際にやってみると想像とかけ離れていた」
  3. 「そもそもやりたい仕事があるわけでもなく、日々の仕事が退屈」

このように仕事内容に不満を感じながら働くのは、誰しも辛いものですよね。

6位:同僚との人間関係

上司との関係ほどではありませんが、「同僚との人間関係」にストレスを感じる人も多数いるようです。

気の合う同僚に囲まれている環境なら、職場の居心地もよく仕事を楽しむこともできるでしょう。しかし反対に、同僚との関係性が悪化すると職場に行くのも辛くなってしまいます。

7位:異動・昇進

会社の人事への不満がストレスに繋がるパターンもあるようです。自分の希望とは違う部署に配属されたり、馴染みの薄い地方に配属されたりすると急に仕事が辛くなってしまいます。

また、長年同じ会社に勤めていれば出世したいと感じる人も多いはずです。それなのに思うように昇進しないと、仕事が辛くなりモチベーションも低下してしまいます。

 

第二新卒が転職や仕事に失敗しない為の対策4つ

仕事が辛いときにそのまま我慢するのは得策とは言えません。次のような対策をとって、ストレスの原因を解消することをオススメします。

①自分の意識改革をする

人間関係や仕事の内容が理由の仕事の辛さは、自分の意識次第で解決できることかもしれません。上司や同僚とうまくいかないのは自分に非はないか考えてみたり、仕事への取り組み方を変えてみたりすることで、辛い仕事が楽しくなることだってあります。

まずは、自分の意識を変えるところから始めてみましょう。

②社内・部署内でのコミュニケーションを図る

上司や同僚と積極的にコミュニケーションを取ることで、人間関係が良好になることもあります。また上司に相談することで、仕事内容を変えてもらえたり、残業を減らすことができたりするかもしれません。

仕事が辛いと悩んでいる方は、周りに相談することをオススメします。

③転職の前に部署異動をお願いする

今の部署ではどうしてもやりたい仕事ができない場合や人間関係の問題を解決できない場合は、部署の異動を願い出てみましょう。

同じ会社であっても、部署が変われば環境は大きく変化します。他部署の人となら良好な関係を築けて、仕事内容にも満足できるかもしれません。

退職や転職にはリスクも存在します。
仕事を辞めることを前提とせず、今の職場内で解決できないか考えてみるのも大切なことです。

④それでもだめなら転職活動をしよう

  1. 労働時間がどうやっても短くならないブラック企業
  2. 給料が増える見込みがない
  3. 他の会社でやりたいことがある など

このまま同じ会社にいても仕事の辛さが解消できない場合は、思い切って転職を考えてみるのはいかがでしょうか。社内では解決できないことが、想像以上にスムーズに解決できることだってあります。

より自分に合った会社を探すというのも、有効な対策のひとつですよ。

 

第二新卒が転職を成功させる8つのポイント

第二新卒が転職をする際に気をつけておきたいことを紹介していきます。

第二新卒は未経験の業界へ入れる最後のチャンス

第二新卒者はまだまだ若く、実務経験などのキャリアを問われることはほとんどなく、未経験歓迎の求人も多いのが特徴です。

ですが、5年、10年と時間が過ぎてしまうと、入りたい業界があるのに、未経験だから入れないことも珍しくありません。第二新卒はまだまだ経験も浅く、新たな仕事を早く吸収してくれるだろうと期待されています。

未経験業種に入れる最後のチャンスとも言えるので、そのことを自覚し、気になる業種があれば早めに転職に踏み切りましょう。

1度は社会人を経験したという自信を持とう

第二新卒の転職で企業が求めているのは、社会人として最低限のビジネスマナーが身についていることですので、少なくとも1年間はビジネスマナーを身につけるために続けることをオススメします。

また、1年間働くことで冬のボーナスが入り、さらには失業保険を受け取る条件も満たせます。相当にキツイ仕事でない限り、1年間は続けた方が転職をするには有利になるでしょう。

働きながら転職活動をする

仕事を続けながら就職先を探すというのは、実はとても大切なことです。「この仕事は合わないから、とりあえず辞めて新しい仕事を探そう」という考えですぐに仕事を辞めてしまう人も多いのですが、どれだけ効率的に転職活動をしてもしばらく転職先が見つからないこともあります。

これは第二新卒に限らず全ての転職者に言えることですが、仕事を辞めて転職活動をしたもののなかなかうまくいかず、次第に貯金も底を尽きて気づけば「どこでもいいから再就職!」というような思考に至ってしまうことがあります。

そうなると本末転倒で、仮に転職先が見つかってもまた仕事を辞めたくなってしまう可能性が高まります。まだ20代とはいえ、あまりにも就業年数が短く、辞職経験が多いと流石に転職には不利になってきてしまいますから、第二新卒での転職先は慎重に決めなければなりません。

だからこそ、余裕を持って転職活動をするために現職に就きながら転職活動をするようにしましょう。全く違う業種、業界に転職したいのであれば、今の職場で働きながらその業界のことを勉強したり、資格を取得したりできます。

そういった手順で転職活動を進めていった方が、結果的には自分の理想に早くたどり着けることになり効率的です。

転職する理由を明確に

「とにかく今の仕事が辞められたら何でもいい」という理由で転職をする人は失敗に繋がりやすいです。
なぜ今の会社を辞めたいのか、転職する目的は何かをはっきりさせることが大切です。

後先考えずに転職活動をすると、転職先でも同じような理由でまた辞めたくなり、無駄に転職を繰り返してしまうことになりかねません。

何のためにこの会社へ転職をするのか、この会社でなければならない理由を明確にすることで、自身のモチベーションにも繋がるので非常に大事なポイントです。

企業を徹底的に調べる

なんとなくの志望理由では、どうしても伝えられる熱意は限られてしまうので、企業を徹底的に調べ、ここで働く必要性を伝えましょう。

また、業界全体を調べることで、これまでのキャリアで戦える分野が見えてきますので、自分と結びつけて話すと良いでしょう。

転職のスケジューリングを立てる

やみくもに転職をスタートするのではなく、ゴールまでの道筋を立ててからスタートするようにしましょう。内定をゴールに設定し、職務経歴書の準備や面接の日程など、考えられる範囲で逆算をしてスケジュールを作ります。

現在の仕事を辞める場合も、社内への引き継ぎ事項や有給消化など、決してすぐに辞められる状況ではないと思いますので、それらを考慮した段取りを立てましょう。

では、具体的にいつから転職の準備をしていけば良いのでしょうか。初めて転職をする方でもイメージができるように、転職活動の基本的なスケジューリングをまとめました。

転職活動には、3カ月ほどかける方が身心共に余裕のある状態で進められます。

転職3ヶ月前

転職3ヶ月前では、まず自己分析を徹底的に行いましょう。
自分の今までの経験や経歴を書き出し、「自分がやりたいこと」や「自分ができること」をピックアップしておきましょう。

次に自分の興味のある業界を調べ、希望条件から企業を絞っていきましょう。
企業の社風や雰囲気を口コミやホームページから調べ、自分とすり合わせて志望動機を掘り下げていきます。

入社2ヶ月前

入社2ヶ月前では、実際に企業へ応募をし、書類審査、面接が行われます。面接では、なぜこの業界を選んだのか、またこの企業でなければいけない理由を簡潔に伝えましょう。

また、前の会社を辞めた理由について、会社の不満などネガティブな話しをしてしまうのは印象が悪いのでやめましょう。自身の目標のため、キャリアアップのためなど、ポジティブな理由が好ましいです。

入社1ヶ月前

入社1ヶ月ほど前になる頃に内定がもらえるように動きましょう。この時期までに、今いる会社に辞職する旨を伝えましょう。

業務に支障が出ないよう、直属の上司へ口頭で伝え、会社を辞める日や引き継ぎ事項などを話し合いましょう。

会社の規定によりますが、遅くとも1カ月前には辞めることを伝える必要があります。
後任にスムーズに引継ぐためにも、遅すぎる報告は控えましょう。

前職のスキルを活かせる職種を探す

前職で培ったスキルがゼロでないなら、それを活かせる職種を探すというのもひとつの手です。職種が同じでも、業界が違えば職場の雰囲気は全く違います。「なにか違う仕事がしたいな」と思っている人でも、業界を変えるだけでその希望が叶う可能性は高いのです。

また、前職で培ったスキルだけでなく、他の職種や業界でも活かせるポータブルスキルを磨くというのも大事な考え方。語学力やコミュニケーション能力が高かったり、宅建士や社労士など需要が高い資格を持っていたりすると、比較的スムーズに転職できます。

第二新卒専門の転職サイトやエージェントに依頼する

第二新卒を専門とした転職エージェントの存在を知っている人とそうでない人では、転職活動の効率に大きな差が生まれます。第二新卒専門のエージェントに相談することで、第二新卒の強みや弱みを踏まえて転職のアドバイスを受けることができます。

また、第二新卒向けの求人を紹介してくれるのも専門エージェントに依頼する利点です。「就職後数ヵ月で離職してしまった自分のような人材でも求めている企業はあるのか」という質問をすれば、具体的な企業名や業界をリストアップして教えてくれます。

第二新卒の人のほとんどは、「業界を変えたい」「業種を変えたい」と思っています。そういった人が専門エージェントに相談すれば、自分のキャリアやスキルを診断してもらえるだけでなく、自分の能力や性格、理想とするライフスタイルに合わせた企業を紹介してもらえるので、1人で転職活動をするよりも遥かに効率的に進めることができます。

【徹底比較】第二新卒に強い転職サイト・転職エージェント8選と転職成功のコツ転職を検討している第二新卒にオススメの転職サイトを紹介すると共に、第二新卒の転職を成功させる秘訣をご紹介します。...

また、「今はまだ転職しない方がよい」という旨のアドバイスをエージェントから受けることもあります。

「その業界に転職したいのなら、現職で培えるスキルを活かせるので、もう少し今の仕事を続けて○○のスキルを身につけてからの方が楽に転職できますよ。」

というように、エージェントはかなり具体的なアドバイスまでしてくれます。

実際に転職まで至らなくても、無料でエージェントに相談することができますから、具体的なビジョンがまだなく、「ちょっと相談したい」というレベルでも、どんどんエージェントに相談していくことをおすすめします。

まとめ

第二新卒であっても、近年では企業が積極的に人材採用している状況もあり、転職において不利ということはありません。

そのため、転職エージェントを利用して、あなたに最適な企業が見つかる可能性は十分にあります。ただし、転職エージェントを利用する際には注意点もあります。特に、転職の成功はカウンセラーのスキルが大きな影響を与えます。

あなたと相性が合わない場合やスキルに不満がある場合には、柔軟に代えてもらうようにしてください。

ABOUT ME
ユータ
大手人材紹介会社のキャリアアドバイザーとして勤務。転職相談件数は累計5,000人以上。20代後半から30代半ばまでの転職相談が多く、総合転職系を強みにしている。エンジニアや管理部門人材の相談も受けてきた経験から、転職の悩みの根本は一緒である、解決方法も似ていることを発信している。