- 「過酷な労働環境にこれ以上耐えられない。」
- 「客先常駐でスキルアップができない。」
- 「新しい仕事に挑戦したい。」
など、SEとして働いているけれど、他職種に転職したいと考えている人も少なくないでしょう。この記事では、さまざまな職種がある中でも『ITコンサルタント』に焦点を合わせて、転職活動のいろはをお伝えしたいと思います。
ITコンサルタントは、年収が上がる、キャリアアップにつながるなど、SEとして働いている人から見れば魅力的な仕事に見えるでしょう。しかし、いざ転職してみようと思っても
- 「自分の実力で採用してもらえるのだろうか」
- 「転職後バリバリ働いていけるのだろうか」
と不安に思うこともあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、ITコンサルタントの仕事内容やITコンサルタントに求められる能力などについて紹介します。
ITコンサルタントとはどんな仕事?
まずは、ITコンサルタントの仕事内容について確認してみましょう。ITコンサルタントとは、ITを用いて企業の経営上の問題点や課題を解決する仕事のことをいいます。
ITコンサルタントが取り扱う範囲は大変広く、代表的なものとして以下のような仕事が挙げられます。
IT戦略 コンサルタント |
企業が抱えるITへの投資や活用などの問題について経営的視点から解決を行う。 |
ERP コンサルタント |
ITを用いて、財務・人事などの事業基盤を一元管理できるシステムの導入を行う。 |
SCM コンサルタント |
サプライチェーン(商品生産の全プロセス)に関して、ITを駆使して効果的に構築・運営を行う。 |
CRM コンサルタント |
顧客業務に関する問題点を解決し、企業の売り上げの改善を行う。 |
PMO コンサルタント |
会社全体で進行しているITプロジェクトを総合的に管理し、プロジェクトの能率向上を行う。 |
ITコンサルタントは上記のような仕事を行うために、ITシステム導入の上流から下流にいたるすべてのプロセスにおいて実務やマネージメントを行います。
SEからITコンサルタントに転職するのに必要な6つの資質
ITコンサルタントに必要な資質にはどのようなものがあるのでしょうか。この章では、ITコンサルタント業を行っていく上で必要になる代表的な6つの資質について紹介します。
問題解決能力
ITコンサルタントに一番必要とされる能力は、『問題解決能力』です。ITコンサルタント業を行う上でメインとなる仕事は、企業が抱える問題をITを駆使して解決することだからです。
そのため、ITコンサルタントになるなら、仮説思考法、ロジカルシンキング、ゼロベース思考など、問題を解決するための思考法を身につけておくとベターでしょう。
経営知識
ITコンサルタントは企業の経営的な問題の解決をします。そのため経営に関する知識は必須です。経営に関する知識がなければ、どこが問題なのか、またそれをどのように解決するかを提示することが困難になるでしょう。
業務知識
経営知識と同様に、クライアント企業の業務知識が必要不可欠です。業務知識がなければ、問題点を洗い出したり、解決策を提示したりすることも困難だからです。
そのため、すべての人に当てはまるわけではありませんが、ITコンサルタントの業務は、金融や建設など一部の分野に特化しているケースが多く見られます。
コミュニケーション能力・折衝力
ITコンサルタントはクライアント企業やチームのメンバーなど、さまざまな人と関わります。そのため、円滑に業務を進めるために、相手の意見を理解し、自身の意見を正しく表現できるコミュニケーション能力が必要不可欠です。
また、ITコンサルタントには折衝力(せっしょうりょく)も必要です。折衝能力とは、利害関係が一致しない人との話し合いにおいて、自身に有利な落としどころを提示し交渉を上手くまとめる能力のことをいいます。
ITコンサルタントの仕事では、主に上流工程である『企画』『業務分析』『要件定義』などを担当します。このときクライアント企業とのプレゼンやディスカッションなどにおいて折衝能力がなければ相手の意見を聞くだけで最適な提案が困難になってしまいます。
作業効率化能力
ITコンサルタントはクライアント企業への説明資料作成やITシステムの要件書、進捗・管理など、毎日膨大な量のタスクをこなさなければなりません。
それらの作業をこなせるように、タスクの優先順位付けや仕事の振り分けなど、作業をいかに効率的に進めるかという能力が大事です。
責任感
ITコンサルタントの仕事はITシステムの導入をすることではありません。ITは道具でしかなく、それによりクライアント企業が抱える問題点を解決しなければなりません。
ITコンサルタントであるからには、クライアント企業の問題を解決するという『成果』を出さなければならないのです。そのため、成果を必ず出すという責任感が強く求められます。
年齢別|ITコンサルへの転職時に求められるもの
など、ITコンサルタントに限らず、転職をする際に年齢を気にする人が多く見られます。たしかに年齢によって転職時に必要とされる能力やスキルには違いがあります。
ここでは、年齢別にITコンサルタントへ転職する際に求められる能力・スキルについて紹介します。
20代に求められるもの
20代はそれまでの業務経験が少ないため、現時点での能力も判断材料にならないことはありませんが、重要視はあまりされません。むしろポテンシャルの方が重要です。
体力や健康に不安がなく、責任感ややり遂げる力があるか、新しく業務を身につける成長意欲があるか、上司の言うことを素直に聞ける精神を持っているかなど、社会人としての基本的な能力があるかが大切です。
そのため、面接では『どうして転職したいのか』『将来どのようなビジョンを持っており、そのために具体的にどのような行動をとるか』をきちんと伝えられるようにしておきましょう。
30代に求められるもの
30代は、業務経験と部下育成能力が重要視されます。
業務経験としては、それまで勤めていた業界知識と、職務経験の両方が重視されます。そのため、自身の強みがどこにあるのか、どのように転職先の企業で貢献できるかをアピールしなければなりません。
また、部下育成能力も大切です。30代であれば、後輩を指導してきた経験が少なからずあるはずです。コミュニケーション能力があるか、リーダーシップを発揮できるかがポイントといえるでしょう。
40代に求められるもの
40代は、売り上げに貢献できるか否かという点を見られます。今までの経験から、
- 『どれだけの業務経験やITに関する知見があるか』
- 『マネージャーとして成果を出せるか』
- 『案件を自ら創造することができるか』
といった、ポイントをアピールする必要があるでしょう。
IT業界におすすめの転職エージェントランキングトップ7
IT業界での転職を考えたとき、登録した転職エージェントによって紹介される求人もサポート支援も変わってきますので、SEからITコンサルタントへの転職は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントとは、あなたと企業を結びつけるサービスを行っている企業で、あなたに対して以下のようなサポートを行ってくれます。
- キャリアの洗い出し
- これからどのようなキャリアが適しているかの見極め
- 強みの洗い出し
- 職務経歴書や履歴書の添削
- 面接の練習
- 企業の人事へのアピール
- 給与などの条件交渉
つまり、転職に必要なあらゆるサポートを無料で受けられるのです。
転職エージェントは通常2~3社登録して、転職活動を進めるのが一般的ですが、どの転職エージェントがあなたに合っているか、転職エージェントをランキング形式でご紹介します。
1位:レバテックキャリア
レバテックキャリアはエンジニアやクリエイターを専門に取り扱う、IT系大手の転職エージェントです。主に関東や大阪に集中しているので、その近辺にお住まいの方におすすめです。
IT業界に年間3,000回の企業訪問をしていたり、転職成功者からリアルな企業情報を入手していたり、独自の活動をしているのも特徴。移り変わりが激しいIT業界の最新の情報を常にアップデートしている専門性の高いエージェントです。
また、転職サポート時はLINE@での連絡手段を取り入れるなど最新の連絡ツールを取り入れ、スピード感を第一に、転職支援する体制を整えています。
公式サイト:https://career.levtech.jp/
2位:Geekly
Geeklyは、IT業界のみの転職支援を行う、唯一のエージェントです。エンジニアにこだわることなく、Webディレクターから営業関連まで、IT業界の様々な職種を揃えています。
転職決定までのスピード感が圧倒的に早く、最短で登録から1ヶ月程度で内定まで辿り着いたケースもあるそうです。
カウンセラーもIT業界出身の方が多く、応募者のスキルをしっかり見極めて転職先を選定してくれるため、転職後のミスマッチも少なく、利用者満足度の高いエージェントです。
公式HP:https://www.geekly.co.jp/
3位:マイナビエージェントIT
『マイナビエージェントIT』はIT業界専任のキャリアアドバイザーがいるのが特長です。IT業界専任のキャリアアドバイザーがあなたに合った求人を提案してくれます。大手企業案件よりも中小企業の求人を多く取り扱っているので、中小企業への転職を希望している人にはおすすめです。
公式サイト:https://mynavi-agent.jp/it/
4位:JAC Recruitment
JACリクルートメントは、外資系をはじめ、ハイキャリアに特化した転職エージェントです。コンサルティング業界のための専門部署が設けられており、ITコンサルタントに転職したい人におすすめできる転職エージェントの1つです。
JACリクルートメントでは、社内で部署移動する機会が少ないため、1つの分野で特化したコンサルタントがあなたの転職をサポートしてくれます。
また、30代から50代のハイキャリアに特化しているのでキャリアアップを目指したい人にもおすすめの転職エージェントです。
公式サイト:http://www.jac-recruitment.jp/
5位:リクルートエージェント
リクルートエージェントは転職エージェント業界での最大手で、30年以上の実績があります。常時ITやWEBエンジニアの求人は6,000件以上を取り揃えており、取り扱い求人数は最も多いです。
また、これまでのITやWEBエンジニアの転職成功実績は2万件以上あり、実績もトップクラス。
大手ならではの独自の非公開求人もあり、大手や高収入の求人に出会える可能性は高くなります。転職相談ではエンジニア専門のアドバイザーも多数いるので、自分自身のこれまでのスキルや今後のキャリアプランを考慮し、理想の転職先を見つける支援体制が整っています。
平日夜の時間帯や土日も転職相談できるので、企業に勤めながら転職活動をしようと思っている人にもおすすめです。
公式サイト:https://www.r-agent.com/
6位:doda
『doda』はリクルートエージェントに続く大手転職エージェント。業界トップクラスの求人数と独自のコネクションを持ち、dodaでしか取り扱っていない求人があります。
採用企業側とのコネクションが強く、その会社の特徴や人事担当者、現場責任者など社内の様子を把握していることが特長です。
転職活動をしていると、求人側の企業内のことを知るのはなかなか難しいですが、dodaのコンサルタントを通じて内部情報を聞くことができるので、自分の条件や希望と実際の職場環境がマッチしているかを事前に確認することができます。
dodaのキャリアコンサルティングは履歴書添削、面接対応も親身にサポートしてくれます。転職活動を始めたばかりで自信がない人は、登録しておいたほうがよい転職エージェントでしょう。
公式サイト:https://doda.jp/
7位:GeekOut(ギークアウト)
GeeKOut(ギークアウト)は大手に比べると知名度は劣りますが、運営母体はパソナですので、IT系に特化したコンサルタントが、1人1人に丁寧に対応してくれると評判の転職エージェントです。
働き方も在宅勤務や副業可能案件など、IT・エンジニアの仕事実態に即した紹介実績が多くあります。
公式サイト:https://geek-out.jp/
IT系の転職エージェントを上手に活用するポイント
ポイントを押さえて転職活動を進めると、あなたの転職成功率が格段に上がります。
ポイント1:担当のコンサルタントには「転職時期はすぐにでも」と伝える
転職エージェントに登録すると、担当のコンサルタントがサポートに付きます。最初の担当コンサルタントの面談の中で必ず聞かれるのが転職希望時期です。転職希望時期を聞かれたら、「希望に合うよいところがあればすぐにでも転職したいです。」と伝えましょう。
担当のコンサルタントは転職希望が強く、早く転職したい人によい求人を回し、転職成功に繋げたいと考えています。コンサルタントも営業成績がかかっているので、その点はシビアな問題なのです。
仮に転職時期を聞かれたときに「まだ本格的には考えていないけど、希望に合う企業があれば受けてみたい」という伝え方をした場合は、紹介してくれる求人数も少なくなる可能性があります。
担当のコンサルタントに自分の転職の熱意を伝えると、サポートしてくれる熱意も比例しするものなのです。
ポイント2:担当のコンサルタントの推薦文を確認する
転職エージェントに登録し、担当コンサルタントから求人を紹介され、求人に応募したい旨を伝えると、担当コンサルタントは求人先にあなたの推薦文を書きます。
推薦文はあなた自身の評価に繋がる大事なものですが、その出来は担当コンサルタントの力量次第です。
担当コンサルタントによっては、酷い文面が採用先に送られているケースもあるので、「事前に推薦文を確認し、面接時にも相違がないようにしたい。」といった感じで伝え、推薦文を自分で事前にチェックしておきましょう。
ポイント3:複数の転職エージェントから同じ求人に応募しない
転職エージェントから紹介される求人は他の転職エージェントと被っていることがありますが、複数のエージェントから応募することは企業側からは不信感を持たれることに繋がります。
同じ求人がある場合は、必ず1つのエージェントからのみ応募するようにしましょう。
未経験でもIT業界・コンサルタントには転職できる!
未経験でもIT業界に転職するにはいくつかのポイントがあります。
まず第二新卒や20代前半であれば、未経験可の求人は多くあり、採用後の研修制度も整っている企業があります。そのような会社で一からITスキルを学び、経験を通じてキャリアアップを図るのがおすすめです。20代後半や30代の場合はまったくの未経験からの転職は厳しいでしょう。
ただし、自分自身で勉強してIT系の資格を取得すると、職歴がなくても知識はあると評価され、未経験でも採用されやすくなります。IT系の資格は数多くありますので、転職に有利な難しい資格が取得できれば、自己アピールに繋がります。
まとめ
いかがでしたか。SEからITコンサルタントへの転職はそれまでの業務経験や成長意欲、面接時のアピールなどに問題がなければ、それほど難しいものではありません。
ITコンサルタントの仕事内容から『資格が必要である』『開発経験がないと難しい』『英語ができなければならない』というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際にそんなことはありません。ITコンサルタントへの転職を考えている人は、ぜひ転職エージェントを利用し、最適な転職先を見つけてくださいね。